【極意!】集客の視点|「タバコを止められない」から紐解く集客のヒント
タバコによる身体への悪影響は、周知の通りでしょう。
例えば、タバコを吸い続けることで、がん・高血圧・ぜんそく・胃潰瘍・骨粗しょう症・脳卒中・肺炎・心筋梗塞・慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの病気を発症する危険性が高くなります。
それでも、タバコを止めない人がいます。
なぜ、自分で自分の身体を苛めてしまうのでしょう。
このように「タバコは身体に悪い」という考えと、「タバコを吸っている」という事実は不協和を起こしてしまいます。
そして、その不協和が矛盾を引き起こします。
矛盾を解消するには、タバコを止めればいいのですが、中毒性の強いタバコを止めるのは困難です。
そこで、タバコを吸うことによる言い訳を考えます。
「タバコを吸うことで落ち着くことができる」
「タバコを吸っていても長寿の人もいる」
「タバコを吸うことで、思わぬアイデアがおりてくる」
このように、矛盾を解消するために、自分の都合の良い考え方をすることを、認知的不協和理論と言います。
「高いセミナーだから、良い学びがある!」
「安い給料だけれど、自分の仕事に深い意味がある!」
「仕事が忙しくて家族との時間が少ないけれど、生きる厳しさを学び合える!」
これらも認知的不協和理論です。
そして、このように認知的不協和にはメリット、デメリット、双方の面があります。
認知的不協和理論とは、アメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガーによって提唱された概念です。
人間は矛盾する二つの認知を抱えた時に不快感が生まれます。
そして、その不快感を軽減させるために認知を変化させたり、行動を変化させたりしてしまうという理論です。
有名な例として、喫煙者の不協和というものがあるのです。
認知的不協和をマーケティングに結び付ける
例えば、ビールを取り上げてみましょう。
独立行政法人大阪府立病院機構「大阪精神医療センター」のサイトによると、以下のようにアルコールは眠りを浅くします。
アルコールを飲んだ方が眠りやすいと感じたことはありませんか? そうした効果ははじめのうちだけで、どんどん眠りが浅くなります。 寝酒は睡眠の質を下げ、かえって目が覚める回数を増やしてしまいます。 アルコールは寝ている間に体からゆっくり抜けていきますが、その反動で眠りが浅くなります。 また、寝つきをよくするためにアルコールを飲み続けると体が慣れてしまって寝つきをよくする効果がなくなってきます。これはアルコール性の不眠の原因となります。 出典:大阪精神医療センターホームページ |
分かっていても、真夏はビールをスカッと飲んでみたいものです。
そこに矛盾が発生します。
「ビールを飲みたいけれど、眠りが浅くなり疲れが残っちゃうなぁ…」。
こんな考えがビールを飲むことを抑制する反面、「ビールを飲むことで味わえる開放感や満足感も大切だよな…」と認知的な不協和が起こります。
そうです。言い訳しながらビールを飲みすぎたり、ある日は抑制したり。
認知的不協和は、様々な選択をさせます。
こんな矛盾を解決してくれる商品の一つがノンアルコールビールです。
認知的不協和から生まれたコピー
矛盾を解決するコピーは日常に広がっています。
例えば、
「なぜ、ハウスメーカーで家を建てた人は、2回目は工務店にするのか?」
「2回目の塗替えは、高くても満足感が違った!」
「3年して確信した!新築より、中古住宅+リノベにしてよかった!」
「社員の給与が上がって、会社は人件費を下げた」
「営業しないからトップ営業マンになれた!」
「好きなだけ食べても痩せられるダイエット」
「子育てしながらサイドビジネスで成功する方法」
そうです。見渡してみると、認知的不協和が起こす矛盾を解決するコピーで溢れています。
ぜひあなたも、認知的不協和の矛盾を解消するコピーにチャレンジしてください。
ありきたりのコピーで上手くいくときもあります。
それでも、顧客の声に耳を傾けて、オリジナルのコピーにチャレンジしてほしいです。
著者:椎名 規夫(しいな のりお)
住宅・リフォーム販促情報局 代表 株式会社エムディー 代表取締役社長 経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長講演実績:日本郵便(株)、三井住友海上保険会社、中部電力、日本M&Aセンター、(株)船井総合研究所、(株)三洋堂書店、日本創造研究所、(独)教職員支援機構、中央労働災害防止協会:大阪安全衛生教育センター、(財)日本品質保証機構、(福)名古屋市社会福祉協議会、東京都教育委員会指定道徳授業地区公開講座、川口市労使講座、長野商工会青年部、静岡県清水建設業協会青年部、千葉県宅地建物取引業協会松戸支部研修、(社)常総青年会議所コミュニケーション研修など、多数。 ・全国6万社が加盟する中央労働災害防止協会でコミュニケーション研修担当 ・独立行政法人教職員支援機構で全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング研修担当 ・労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当 |