【解説】更なる集客を考える|“ハイエンド市場”を開拓する

※ハイエンド市場とは? クオリティーの高い製品を買うためなら値段はあまり気にしない所得の多い層をターゲットとしています。

今すぐ、張り替えてほしい! でも、躊躇した理由…

新聞折込に、地元の優良業者さんのチラシが入っていました。
以前こちらの業者さんに、自宅の網戸を交換してもらいました。
その時は、お世話になっている先輩の工務店さんの外注さんとしてやってきました。

数年前、網戸を10枚くらい張り替えしてもらっただろうか?
直接、この業者さんに依頼すれば、先輩工務店さんのマージン分、安くなったのかな?
あまり代金を気にしていませんでしたが、1枚3,000円くらいだったと思います。

今回、このチラシを手にして、「網戸を張り替えてもらいたいなぁ!」と思いました。
張り替えたい網戸は20枚くらい。でも、電話をしませんでした。

それはなぜか? 価格が高いからではありません!

もしかしたらこのチラシの反響、下がっているんじゃないかな?と思いました。

地元の畳屋さんだから頑張ってほしい!
でも、このようなホームページにお客を取られちゃうんじゃないかな?

なぜ、網戸を張り替えしてほしい私が、目の前のチラシに反応しなかったのか?
その答えは、面倒だからです。

チラシを見た時の私の心の声です。

  • 「携帯電話から直接ダイヤルするQRコードないの?」
  • 「今すぐ来て、張り替えてくれないかなぁ」
  • 「チョットくらい高くてもいいから…」
  • 「網戸を持参しなくちゃいけないの?」
  • 「畳の生産者の想いとか、あまり関係ないんだよなぁ…。網戸で困ってるし…」
  • 「畳の張替?違いが分からないな…」

私の部屋の網戸は、5年前に交換したから大丈夫なんです。
だけれど、他の部屋は全部張り替えたかった!
でも、面倒で連絡しなかったのが実情です。

強力な差別化とは? 飽くなき利便性の追求

先ほどのホームページのトップには、顧客視点のメッセージが並んでいます。

これって当たり前ですよね。
そして、その上で利便性の追求が大切だと思います。

まわりが真似するようになったやり方は古い

最近でも目にするけれど、あまりバックエンドに繋がらなくなったコピーがありますよね。

例えば、イベントで「網戸を張り替えます! 一組様3枚まで無料!」。
これで名簿は取れますよね。でも、バックエンドに繋がるでしょうか?
「ボランティアでやっているから、バックエンドに繋がらなくていいんだよ!」ということでしたら心配はしません。

小さい会社は、クオリティーの高い製品を買うためなら値段はあまり気にしないハイエンド市場を狙いましょう。
それには、徹底的に利便性を提供することです。

小さい会社がハイエンド市場で勝つための基本的な戦略です。

  • 大手が苦手な人柄で勝負する
  • 大手が苦手なOB客訪問をする
  • 大手が苦手な顧客の都合に合わせる
  • 大手が苦手な小回りの利便性を追求する
  • 大手では当たり前の挨拶を心がける
  • 大手では当たり前の清潔な身なりをする

大きな市場がある限り、小さな会社は生き残れます。
住宅関連は大きな市場です。大手の陰に隠れても、十分すぎる市場規模があるはずです。
しかし、大手の陰のおいしい市場は、小さい会社同士の奪い合いが起きるでしょう。
ですから、顧客が求める価値の変化に敏感でいてください。

今回、網戸の張り替えのウォンツがあっても、私は電話をすることをためらいました。

携帯電話がない20年前なら、自宅の電話から問い合わせしていたかもしれません。

QRコードが普及する前の10年前なら、携帯電話から連絡したかもしれません。

Web検索で、カンタンにライバル会社が見つからなければ、連絡していたかもしれません。

刻々と便利な社会に変わります。
利便性を求める顧客は、それを満たしてくれる会社に流れていきます。
世の中の変化に敏感でいましょう!

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著者:椎名 規夫(しいな のりお)

住宅・リフォーム販促情報局 代表
株式会社エムディー 代表取締役社長
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長講演実績:日本郵便(株)、三井住友海上保険会社、中部電力、日本M&Aセンター‎、(株)船井総合研究所、(株)三洋堂書店、日本創造研究所、(独)教職員支援機構、中央労働災害防止協会:大阪安全衛生教育センター、(財)日本品質保証機構、(福)名古屋市社会福祉協議会、東京都教育委員会指定道徳授業地区公開講座、川口市労使講座、長野商工会青年部、静岡県清水建設業協会青年部、千葉県宅地建物取引業協会松戸支部研修、(社)常総青年会議所コミュニケーション研修など、多数。
・全国6万社が加盟する中央労働災害防止協会でコミュニケーション研修担当
・独立行政法人教職員支援機構で全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング研修担当
・労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
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