【コラム】売れるコピーは日本語で書け!(笑)
どうすれば、こんなコピーが付けられるの?
「家族といっしょに」 マクドナルド
「春が来る」 ユニクロ
「打ち破れ、自分の限界を!」 アシックス
「挑戦って、いいもんだ」 本田技研工業
「手をのばそうよ。届くから」 大塚製薬
「不可能なんて、単なる先入観にすぎない」 アディダス
優れたコピーから感じる感覚で遊んでください。
日本語は素晴らしい!
今回、私が出会った文庫版『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』(著者:金谷武洋)は、
日本文化の影響を受けて成り立っている日本語の素晴らしさを感じ取ることが出来ます。
「わび・さび」を知覚する私たちの日本語には主語がない?
「わび・さび」は、知覚が優れた日本人特有の文化から生まれた言葉です。
Webで検索すると次のように説明されています。
「さびは、見た目の美しさについての言葉です。この世のものは、経年変化によって、さびれたり、汚れたり、欠けたりします。一般的には劣化とみなされますが、逆に、その変化が織りなす、多様で独特な美しさをさびといいます。一方、わびは、さびれや汚れを受け入れ、楽しもうとするポジティブな心についての言葉です。つまり、さびの美しさを見出す心がわびなのです」
さびが表面的な美しさだとすれば、わびは内面的な豊かさ。
両者は表裏一体の価値観だからこそ、わび・さびと、よくセットで語られるのだそうです。
著者の金谷氏によると、このように知覚に優れた文化で生まれた日本語には主語がないことなど、
多言語には見られない特徴があります。
日本語は述語だけで文章が成り立ってしまいます。
主語は欧米語の文法を借りてきたから必要に思える幻想に過ぎないのです。
例えば、久しぶりに会った友人が会話しています。
Aさん:「今、仕事何しているの?」
Bさん:「営業やってるよ」
日本語は主語がなくても通じるのです。
因みに英語では次のようになります。
Aさん:「What are you doing now?」
Bさん:「I’m in business」
このように英語の会話には主語が入るのです。
そして、大切なことです。
なぜ、日本語では主語が削除されるのに、英語では必ずと言っていいほど主語がつくのか?
その秘密は、日本語は共視・共感の言語。英語は、対立・自己主張の言語だからだそうです。
1998年頃の煽りコピーが終焉
共感コピーが主流に
1990年代の後半にダイレクトレスポンスマーケティングを学びました。
そして、その流れは中小零細企業に浸透し、煽るコピーで集客するスタイルが流行ったのです。
例えば、
「家は、まだ建てるな!」
「建築業界の常識と闘います!」
「待った! 待った! そのリフォームちょっと待った!」
「塗り替えで失敗しないための7つのポイント!」
このような煽り系のコピーは、2000年代まで流行りましたよね。
私も真似して煽り系のコピーを使いまくりました。
だけれど、正直、あまりいいお客様は集まらなかったと思います。
煽り系のコピーには、怒りを持ったお客様が集まる傾向にあります。考えてみれば当然ですよね。
そのときの心の状態によって、コピーに反応してしまうのです。
例えば、「糖質“0”」「カロリー“0”」のコピーには、
血糖値やダイエットに興味を持つ消費者が反応します。
同じように「家は、まだ建てるな!」「建築業界の常識と闘います!」というコピーに
反応してしまう方は、「家って高すぎない?」「建築業界はクレーム産業じゃない!」という
怒りを内在している顧客が反応しそうですよね。
そうです。優しいコピーが優しい顧客を集客し、セレブなコピーが裕福な客層の心に届くのです。
皆さんがどんな顧客を集客したいのか?
冒頭で日本語の特徴、『共視』を大切にしたコピーを紹介しました。
私はダイレクトマーケティングを学び、煽るコピーの可能性と限界を学びました。
正直、それらのコピーには限界があります。
コピーを学び23年。共視・共感のコピーが集客に役立つでしょう。
著者:椎名 規夫(しいな のりお) 住宅・リフォーム販促情報局 代表 株式会社エムディー 代表取締役社長 経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長講演実績:日本郵便(株)、三井住友海上保険会社、中部電力、日本M&Aセンター、(株)船井総合研究所、(株)三洋堂書店、日本創造研究所、(独)教職員支援機構、中央労働災害防止協会:大阪安全衛生教育センター、(財)日本品質保証機構、(福)名古屋市社会福祉協議会、東京都教育委員会指定道徳授業地区公開講座、川口市労使講座、長野商工会青年部、静岡県清水建設業協会青年部、千葉県宅地建物取引業協会松戸支部研修、(社)常総青年会議所コミュニケーション研修など、多数。 ・全国6万社が加盟する中央労働災害防止協会でコミュニケーション研修担当 ・独立行政法人教職員支援機構で全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング研修担当 ・労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当 |