来店予約者の25%が契約する、高額注文住宅のWeb戦略
弊社の営業部長に同行し、ある工務店さんにお伺いしました。
急成長している工務店さんですので、情報収集を兼ねて、定期的に訪問させていただいています。
先日伺った際、広報担当の女性スタッフは電話中。
数分後、電話を切って私たちが待つテーブルに座ると、はじける笑顔で話してくれました。
「お待たせしました! 昨日は2件来店予約の電話がありました。
今も来店予約の電話でした。だから、今日、あと1件来店予約があると1棟契約です!」
私と営業部長は唖然としながら「何のことですか?」と確認しました。
すると彼女は、
「電話やWebから4件の来店予約が入ると1棟契約になるんです。
椎名さん、スゴいホームページを作ってくださってありがとう!」とお礼を言われました。
検証データはウソをつかない!
資料1-1をご覧ください。この工務店さんのWeb解析資料です。
Webで計測できる範囲のコンバージョンをお示しします。
2021年8月のコンバージョンです
- ご相談・モデルハウス見学・家づくり勉強会 18件
- 家づくり勉強会予約 12件
- 電話問い合わせ 29件
※携帯電話のみの計測。ダイヤルされた電話は計測外
Webから計測されたコンバージョンだけで月間59件です。
この中には、業者からのセールス、冷やかしなども含まれるでしょう。
また、それらの残りがすべて来店予約でもありません。来店予約は月間15件前後。
ですから毎月3棟弱が、来店予約から受注していることになります。
1年で景色が変わる!
資料1-2は2021年(左列:薄いグレー)と2020年(右列:濃いグレー)の比較した資料です。
ユーザー数が1年で2倍強に増えています。(2021年:10,593、2020年:4,783)
自然検索数が1年で2倍強に増えています。(2021年:8,462、2020年:3,098)
このように1年でWebの集客能力が2倍になるのです。
そして、2倍になる要素の一つが自然検索数を増やすことなのです。
Web広告にお金をかければユーザー数を増やすことができます。
しかし、広告を止めてしまったら、ユーザー数が減ってしまいます。
また、SUUMOなどのポータルサイトを活用すればユーザー数が増えますが、Web広告と同じで
予算を削ればユーザーは減ってしまうのです。
だからこそ、Web広告以外で、ユーザー数を増やすことが重要なのです。
お金をかけないでユーザー数を増やす施策の代表です。
初期投資だけで運用費用がかからない施策です。
- 顧客の求めるキーワードのブログを書く
- 顧客の理解できる言葉で施工事例を増やす
- 顧客のキーワードの沿ったカテゴリーページを作る(SEOに強い)
- インスタグラム投稿
初期費用がかかり、継続して運用費用がかかる施策です。
- SUUMO、ホームプロさんなどのポータルサイトへの登録
- リスティング広告
- SNS広告
初期費用がかかり、運用効果が怪しい施策です。
否定はしません。効果が怪しいと思うだけです。(笑)
- LINE公式アカウント(小規模な建築系の会社で成功している方いますか?)
- YouTube(効果測定ができていますか?)
- リスティング広告
来店予約の25%が契約してくれる工務店さんでは、厳しく予算が管理されています。
ですから、費用対効果が悪かったり、費用対効果が怪しかったりするメディアを避けています。
努力は裏切らない!
資料1-3。左上はユーザー数の6か月間の前年比です。
2021年4月の棒グラフを見るとユーザー数が5倍以上に増えていますね。
9月は前年比2倍強ですね。
右上がセッション数、ページビューの6か月間の前年比です。
こちらも前年比で2倍以上に増えているでしょう!
左下が直帰率の6か月間の前年比です。
困ったことに、直帰率は前年に比べて高くなってしまっています。直帰率は低い方がいいですからね。
高くなる理由は、ユーザー数が多いコンテンツには、地域を超えて全国からアクセスがきます。
すると、地元でないコンテンツの場合、スグに直帰されてしまうリスクを負うのは仕方がありません。
しかし、全国からアクセスしてもらえることで、Googleからは人気のあるWebと評価されます。
ホームページ全体としての評価が下がることはないでしょう。
右下は自然検索数とPV(ページビュー)の6か月間の前年比です。
自然検索数に関しては、うらやましい伸びでしょ!
ただし、ページビューに関しては、
地域に根差した会社の場合はユーザー数が増えるのと反比例する傾向になります。
全国規模の会社、例えばYahooやGoogleであれば、
ユーザー数が増えてもページビューは変わらないと予測します。
しかし、ローカル企業のWebに全国からユーザーが集まれば、
ページビューが下がるのは仕方がないことです。
来店予約者の25%が高額注文住宅を契約する
日常業務にホームページを充実させる時間を増やしましょう。
広告費用、ポータルサイトの活用については、費用対効果が合えばよいのではないでしょうか。
ただし、広告費用を削ればユーザー数が減るリスクも考えてください。
そうです。時間が経過するほど価値が高まる、
『SEOブログ』『施工事例』『カテゴリーページ』を充実させる仕事が重要ではないでしょうか?
短期的視点の広告、ポータルサイトの活用。
そして、長期的視点のコンテンツの充実を図る仕事。
バランスよくやっていきたいものですね。
著者:椎名 規夫(しいな のりお) 住宅・リフォーム販促情報局 代表 株式会社エムディー 代表取締役社長 経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長講演実績:日本郵便(株)、三井住友海上保険会社、中部電力、日本M&Aセンター、(株)船井総合研究所、(株)三洋堂書店、日本創造研究所、(独)教職員支援機構、中央労働災害防止協会:大阪安全衛生教育センター、(財)日本品質保証機構、(福)名古屋市社会福祉協議会、東京都教育委員会指定道徳授業地区公開講座、川口市労使講座、長野商工会青年部、静岡県清水建設業協会青年部、千葉県宅地建物取引業協会松戸支部研修、(社)常総青年会議所コミュニケーション研修など、多数。 ・全国6万社が加盟する中央労働災害防止協会でコミュニケーション研修担当 ・独立行政法人教職員支援機構で全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング研修担当 ・労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当 |